タイ古式マッサージの歴史は古く、2500年以上前まで遡ります。ブッダの医師であった、シヴァカ・コマラッパが創始者とされ、タイでは「タイ伝統医学の父」として広く認知されています。
1455年のアユタヤ法には、時の王、ボーロマ・トライローカナートは王宮内にマッサージ部門を設立したとの記述があります。
1690年、当時の首都であるアユタヤの宮廷を訪問した、フランス人外交官ルベールの記録によると、揉む事、足で踏む事がタイ古式マッサージの伝統的な基本テクニックであると記されています。
1767年、アユタヤ王朝の崩壊と共に、古典医学書の原本およびマッサージに関する写本の大半がビルマ軍により焼きつくされてしまいました。それまでに積み重ねられた知識や技術は、師匠から弟子へと受け継がれて行くようになりました。
1831年、ラマ1世は、全国から歴史、宗教、文学、芸術、医学、物理療法、薬学、マッサージに関するすべての書物を取集するよう命じました。集められた書物は全て写本が制作され、ワットポー内で保管されることになりました。
1906年、ラマ5世は、全ての文献を現代タイ語に翻訳する事を命じ、翻訳されたものは、王室医学教本として編纂されました。この教本にはタイ古式マッサージの全ての手順及び経絡とツボが記載されています。
1955年ワットポー寺院内に「ワットポータイ伝統医学学校」が設立され、当初は①薬学、②タイ伝統医学、③助産婦学の3分野のみを教えていましたが、1962年から第4番目の分野としてタイマッサージを教えるようになりました。
1991年には様々な形で教えられていたものが体系化〔基本(General Thai Massage)・上級Massage Therapy)〕されました。受講コースが体系化されたことにで誰でもが簡単にマッサージが学べるようになり、タイマッサージが世界中に広まることとなりました。
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